はじめに
『[CEDEC 2018]ゲームが面白くならない理由は「コンテキスト」「コンフリクト」「コントラスト」の不整合にある』という記事を読みました。
この記事では、参考元の大まかな概要に加えて「実際に僕が作っているゲームをどう改善していくか」というところまで書いていきます。
参考元とともに読み進めてもらえれば幸いです。
今回は3つのセクションの内の1つ、「コントラスト」についてです。
「手応えが感じられない」=コントラストの不足
コントラストとは明暗のこと。「ゲームの手応えが感じられない」ということは,すなわち緊張感が出ず,インパクトがなく,盛り上がらず,ドラマティックにもならないということだ。
これは,ゲーム内でのコントラストが不足しているという理由で説明できるという。成功と失敗,静と動,盛り上がりと静けさ,キャラクターの明暗といった対比があってこそ,ゲームは手応えを感じられるものがある。
ざっくり言うと「コントラストがないと単調でつまらない」ということです。
僕は今まさにこの「コントラスト不足」に悩まされています。
ローグライクゲームを作っているのですが、少しプレイしたら単調に感じてしまうんですよね。(テストプレイ中に感じただけでなく、レビューや親にも指摘されました)
ゲーム作りの初心者がやってしまいがちなのが,”プレイ時間に比例して右肩上がりに難度が上がっていく”というレベルデザインだが,これではコントラストが生まれにくい。コントラストとは対比であり,つまりは直前とギャップを作ることであるからだ。
そこで,”少し難度を上げて,また下げて,下げた状態からまた上げる”と小刻みに上下させれば,上下のたびにコントラスト(=メリハリ)が生まれる。
右肩上がりで難易度が上がっていくと、コントラストが生まれにくい。だから直前の体験とギャップを作る。
例えば、「ハンマーブロスはクリボーやノコノコに挟まれているからこそ緊張感が生まれる」という感じですかね。
そして僕のゲームでは、難易度は右肩上がりになっています。基本的に敵の数は増えるようになっていて、「敵を減らす」ということは全く意識していなかったです。
例えば「ゴッド・オブ・ウォーⅢ」において,敵が波状攻撃をかけてくる際などは,単にウェーブを重ねるたびに敵の数が増えるのではなく,ときには減らしたり,別の種類の敵を混ぜるなどしてメリハリをつけているという。
この例がとても参考になりました。
もし僕のゲームにコントラストの概念を取り込むのなら、
- レベル生成時の敵の数や種類を完全ランダムではなく、ある程度のギャップが生まれるように操作する
- アイテムの出現率や強さを操作する
僕の場合は純粋なローグライクゲームなので、こういった確率の操作がメインになりますね。参考元で言うなら「盛り上がりと静けさ」でしょうか。
他のジャンルの場合は、最初の引用にも書いてあった通り、「成功と失敗,静と動,盛り上がりと静けさ,キャラクターの明暗」あたりを意識してコントラストを盛り込んでみるといいかもしれません。
おわりに
コントラストのセクションの最後はこう〆られています。
ただし,右肩上がり式とコントラスト式のどちらが正解であるという問題ではなく,メリハリをつけて手応えを感じさせたいのであれば後者が有効である,と大野氏は語った。
例えば「のんびり系のゲームにコントラストで手ごたえを与えても疲れるだけ」でしょう。
コントラストはあくまでも手法の一つであるということを心に留めておきましょう。
ピンバック: 『Slay the Spire』はなぜ面白いのか【ローグライクゲーム開発者が考える】 | Makihiroのdevlog
ピンバック: 【つくるUOZU】和尚さんのメンタリング整理【BOOT CAMP 2020 その1】 | Makihiroのdevlog